(June.17)

好きってことばは叫べるのに
愛してるということばはすぐにぼやける
愛されてるんだって実感がなきゃ、
愛してるなんて自信はもてない


(June.17)

面と向かって言わなくていいから
手紙の、お決まりで最後につけるように、言ってほしいだけ


(June.17)

へろーへろー
こんなに言葉をかいているのは何も考えたくないからです

へろーへろー
ピンクがすきになったのはわたしのこころがうそつきになったから?


うそつきでいいじゃない
つけるとこまでつきとおして
ぶっ壊れたらいいじゃない


(June.3)

なにもほしがらないから

もっとあいしてよ

くるしいんだから

わけはおしえられないけど、

もっとあいしてよ

(いますぐ、あいつを殺して) 
 
 
(June.3) 

ちょっと待って
もうちょっとで剥ぎ取ってしまうから
つめとゆびの間にはさまったわたしの記憶たちは
赤い涙を流している
もうちょっと待ってて
きっとぜんぶ破り捨てるから
それで死んだりしないって
ただ、この記憶は、わたしにあってはならないだけだから
そんな憐れんだ目で見ないでよ
あんたにだって、いつか出来るんだから
そして、きっとわたしと同じことをするんだから
痛くなんかない
それよりも、あたらしい空気をちょうだい
濃密な記憶のにおいが
わたしの気道をたしかにつまらして
息が苦しいの
助けて 

 
(June.3) 

結局のところ、やっぱりわたしは逃げたいんだ

(いいじゃないそれで)

そういってほしくて、そういってもらうたびに、わたしは余計に怖くなるのです。


(June.3) 

勘違いするな
あんたのいる場所は
小汚い空きビンの中
かびくさいコルクの栓をされて
宇宙のいろが濃くしみこんだ
悲しい、海に

海底のくじらのむくろのうらめしい悲鳴に
耳を傾けているあんたに
きっとわたしの声は聞こえちゃいない

くじらの目はぽっかりと
何も見ちゃいないんだから 
 

(June.3) 
 
はにかむあなたはかわいいから
そのたびにわたしのこころは暖かくなるのに
小さなあのこがしくしくと泣く

なかないで
なかないで
きっともう大丈夫 
 

(June.3) 

つらいの
つらくない
つらい
つらくない
しあわせ
わからない
けどこれが
きっとしあわせ 
 
 
(June.3) 

気をつける
彼の名前がでないように
おなじ頭文字だから
望んでないのにその名前は
わたしの心の奥底に、ひっそりと息づいている
そうやって笑って
そうやって、あいつを殺して